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自分の歯並びは矯正が必要?その基準についてご紹介

監修:歯科医師 高島光洋


顎に手を添えて考え事をする女性の口元

歯並びが良いからといって矯正治療が不要とは限りません。歯並びが良くても噛み合せが悪いこともあります。噛み合せが悪いと、歯が上手く機能せず、咀嚼効率の低下や消化不良、発音不良など体全体の機能にも影響を及ぼすこともあります。では、悪い噛み合せはどうやって気付けばよいのでしょうか?どんな歯並び・噛み合せだったら矯正治療が必要なのでしょうか?このコラムでは、歯科矯正治療の判断基準・方法・効果などについてお伝えします。

歯科矯正治療をおすすめする判断基準

歯が綺麗に並んでいたとしても、上と下の歯の噛み合せがズレていたり、部分的に歯が噛み合っていなかったりする場合があります。この場合、咬む力による負担が局部的に歯や歯の周辺組織にかかり、歯の寿命を縮めてしまう可能性もあるので、矯正治療をおすすめすることがあります。
また、ご自身が痛みや見た目などの不具合を感じているかどうかも、矯正治療の重要な判断基準になります。

不正咬合に当てはまる方

上下の歯がうまく噛み合っていない状態を「不正咬合」といいます。不正咬合には8つの種類があります。複数の歯が不正咬合の状態の場合もあれば、1歯だけが不正咬合の状態の場合もあり、その程度は様々です。不正咬合は、見た目以外にも咀嚼機能や発音機能、滑舌などにも大きく関係することもあり、矯正治療を行うことで改善することもあります。

①叢生

歯が重なり合い、歯の並びが乱れている状態をいいます。歯と顎の大きさのバランスが悪い場合に起こるといわれています。犬歯が歯列の外側に出ている、いわゆる八重歯の状態も含まれます。



②下顎前突


別名「受け口」とも言われます。奥歯を噛み合わせた時に下の前歯が上の前歯よりも出ている状態
のことを指します。



③上顎前突


別名「出っ歯」とも言われます。奥歯を噛み合わせた時に、上顎や上の前歯が前方に出ている状態を指します。



④過蓋咬合


奥歯を噛み合わせた時に、上の前歯が下の前歯に被さり、上の前歯で下の前歯が全て隠れてしまう状態を指します。噛み合わせが深くなるため顎関節症になる可能性があります。



⑤切端咬合


正常な噛み合わせは、上の歯が下の歯に2mmほど被さっている状態です。しかし、切端咬合は上下前歯の先同士が噛み合わさる状態のことを指します。噛んだ時に、歯の先に噛む力がかかるため歯が欠けたり割れることがあります。



⑥交叉咬合


奥歯を噛み合わせた時に、上下の歯が部分的に互い違いに噛み合う状態を指します。



⑦開咬


奥歯を噛み合わせた時に、上下前歯の間に隙間ができる状態を指します。



⑧空隙歯列


別名「すきっ歯」とも言われます。永久歯が全て生えた後も歯と歯の間に隙間がある状態を指します。


虫歯や歯周病になりやすくて悩んでいる方

歯磨きを頑張っているのにも関わらず、長い間、虫歯や歯茎の腫れに悩まされている方は、もしかすると歯並びが原因かもしれません。歯と歯が重なっていたり、歯が傾いていたり、歯並びがガタガタの状態だと、当然、歯磨きの難易度は高くなります。歯ブラシが届かない部分には、歯間ブラシやフロスなどの使用をお勧めしますが、それでも完全に汚れを除去するのが難しいこともあります。そうなると、虫歯のリスクが高まります。虫歯が進行してない初期の状態で気付くことができれば、まだ良いですが、歯科医院でレントゲン写真の撮影を行っても、重なっている歯や傾いている歯が邪魔して写らないこともあります。その場合は、虫歯が進行して症状が出てから気付くこともあります。

歯周病についても、歯磨きがしにくいことで汚れが溜まり、歯茎の腫れが続いていると、歯周病が進行しやすくなります。歯周病は、もともと痛みの出にくい病気なので、気付いたときには歯周病が進行し抜歯が必要な状態になっている方もいらっしゃいます。
矯正治療を行い歯列が綺麗に整うことでケアが行いやすくなると、虫歯や歯周病予防にもなり体の健康にも繋げることができます。

咀嚼や発音のしにくさを感じる方

歯並びや噛み合わせは咀嚼機能や発音機能とも大きく関係しています。
まず、咀嚼とは食物を細かくかみ砕き、消化をスムーズにする働きです。しかし、歯並びが悪い場合は、正常に噛み合う歯も限られているので、咀嚼効率が落ちてしまいます。そのため、胃などの消化器官に負担がかかりやすくなります。
矯正治療では、噛み合せが良くなることで咀嚼機能も改善し、体の健康にも繋げることができます。

次に発音機能については、歯並びが悪く隙間が空いていると、そこから空気が抜けてしまい上手く発音できないことがあります。特にサ行、ナ行、ラ行は、舌を歯の裏面につけて発音するので、歯並びと深い関係があります。サ行は「歯擦音」といい、上下前歯を擦り合せるようにして、その隙間から息を出すようにして発音します。そのため、受け口、開咬、すきっ歯の方が発音すると聞きづらくなってしまいます。
また、他にも叢生の状態で歯が内側にあると、舌があたってしまい、舌足らずな発音になることもあります。
日常生活で特に不便がなければ、治療は急がなくても良いですが、発音が重要になる仕事(アナウンサー、歌手、俳優など)
を目指す方や人前に出て話す機会が多い方は早めの矯正治療をお勧めします。

ただ、矯正治療を行って必ず発音が治るとは限りません。発音は舌の動きとも密接に関係しているため、矯正治療を行った後、正常な舌の動きを取り戻すためのトレーニングが必要になることもあります。

歯並びの悪さから口元を隠してしまう方

歯並びが悪いと、そのことがコンプレックスになり、思いっきり笑えない、口元を隠してしまう、人前に出づらい、滑舌が原因で人前で話しづらいなど、知らないうちに人生において大切なチャンスを逃しているかもしれません。歯並びとは一生付き合うことになります。歯並びの悪さが原因で自分に自信が持てない方は、ぜひ一度矯正治療を考えていただくことをおすすめします。口元は目立ちやすく、第一印象にも大きく関わります。歯並びが綺麗だと清潔感さえも手に入れることができます。小さい頃からのコンプレックスを解消してみませんか?

美容を目的に矯正治療を行う場合、歯を削って白い被せ物をして行うセラミック矯正を行う方法もあり、治療期間が短いです。しかし、健康な歯を大きく削ることは歯に大きな負担を与えることにもなり、しみる症状が出たり、症状が強いと歯の神経を抜く治療が必要になることもあります。急を要する場合は仕方ないですが、歯の健康を考えるなら、期間が長くなったとしても健康な歯を削ることなく綺麗な歯並びと正常な噛み合わせを手に入れられる矯正治療方法をおすすめします。

歯科矯正で得られる効果

歯科矯正治療では、見た目はもちろん、噛み合せが改善することで体全体の機能を改善する効果もあります。

正しく咬める

咀嚼効率が上がる
矯正治療を行うと、歯並び・噛み合わせが改善することでも咀嚼効率が上がります。そうすると唾液腺がより刺激され、唾液の分泌も多くなります。唾液には、清浄作用(唾液の流れで汚れや細菌が洗い流される)、抗菌作用(唾液が含む酵素で細菌の活動を弱める)、再石灰化作用(唾液中のミネラル成分が歯を強くし、初期虫歯なら治せる)などの働きがあるため、虫歯や歯周病のリスクを下げる効果があります。

消化がよくなる
また、しっかり咀嚼し食べ物と唾液がよく混じり合うと唾液に含まれる酵素が、更に食物を分解しやすい状態にするため、消化がよくなりやすいです。

顎関節症や顔の歪みの改善
左右の噛み合わせのバランスがとれていないと、顎の関節に負担がかかり、顎関節症のリスクを高めることもあります。また、顔の骨格の歪みに繋がることもあります。矯正治療を行い左右の噛み合わせのバランスがよくなると、これらの悩み以外にも頭痛や肩こりも改善されることがあります。

歯並びが綺麗に整う

ケアがしやすくなる
矯正治療により歯並びが改善され、綺麗なアーチ上に歯が並ぶと歯磨きもしやすくなります。そもそも汚れが溜まりにくくなるので、虫歯や歯周病予防はもちろん、口臭予防にも繋がります。

コンプレックスの解消
歯並びは第一印象にも影響するので大きなコンプレックスになりやすいです。歯並びが改善されると、思いっきり笑うことができたり、写真写りもよくなったり、発音が改善されることで人前で話しやすくなるなど、ご自身の性格や生活をより素敵なものにしてくれる可能性だってあります。

舌の悪い癖も改善できる
歯並びは、遺伝だけでなく口周りの癖が大きく影響します。舌の動きに癖がある「舌癖」がある方は、年齢が上がるほど治すのが難しく、歯並びを悪化させる原因になります。不正咬合の一つである「開咬」は舌癖が大きな原因となります。マウスピース矯正は開咬の治療に向いており、矯正治療とともに舌を正しく動かすトレーニングを行うことで、歯並びと舌癖を改善することも可能です。

歯科矯正治療にはどんな方法がある?

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正には大きく2種類あり、歯の表側に金属の矯正装置を接着する「表側矯正」と裏側に接着する「裏側矯正」に分類されます。歯の面にブラケットと呼ばれる装置を接着し、そこにワイヤーを通して歯を3次元的に動かします。表側矯正は金属の装置が目立ちやすいので、ブラケットに白いセラミックやプラスチックを使用する方法もありますが、金属より費用が高いことが多いです。裏側矯正は目立ちにくいですが、高い技術が必要になるため表側矯正より費用が高めです。通院回数は月に1度ほどで、治療期間の目安は約2~3年です。

マウスピース矯正

透明な樹脂素材(プラスチック)のマウスピースを矯正装置として使用します。目立ちにくいのが大きな特徴で、着脱も可能なため矯正治療期間でも食事や歯磨きを普段通りにできます。マウスピース矯正だと1番奥にある臼歯も後方に移動させることが可能なため、その分スペースが作りやすいです。そのため、歯並びの状態によっては抜歯をせずに矯正治療を行えるかもしれません。ただ、1~2週間毎に自宅で新しいマウスピースに交換する必要があるため、自分で管理しないといけない部分もあります。その分、通院回数が少ないです。通院回数は1ヶ月半から2ヶ月半で、その間だけスマホのスケジュール機能を使用し管理しながら続けられている患者さんがほとんどです。治療期間は約2~3年です。

※上記記載の治療回数・期間の目安は全体矯正の場合です。あくまで参考までにしていただければと思います。歯並びの状態、治療の進行状況などで変わることがあります。

部分矯正が可能な場合もあります

部分矯正とは?
気になる部分だけ矯正治療を行う治療です。歯並びで気になる部分というと前歯のことが多いですが、前歯のすきっ歯や歯と歯の重なり、傾きを治すことが多いです。全体矯正と違って見た目重視の治療になるため、噛み合せを改善することは難しいです。しかし、第一大臼歯が正しい噛み合せの状態で、前歯のみ歯並びが悪い場合は、部分矯正治療が向いている場合もあります。部分矯正治療は、全体矯正より費用が安い場合が多く、短期間(早くて半年)で治療が終わり、痛みが少ないのが大きなメリットです。
方法については、基本的にワイヤー矯正とマウスピース矯正どちらも可能です。しかし、マウスピース矯正の場合は部分的なマウスピースを装着するのではなく、歯列全てを覆うマウスピースを装着して、部分的に歯並びを治すことになります。

抜歯について
基本的に抜歯はしません。抜歯が必要な場合は、噛み合せも変わってくるため、全体矯正の対象となります。抜歯をしないのに歯を並べるスペースをどうやって作るのか?方法は2つあります。出っ歯にならない程度に、前歯を前方に動かすことでスペースを作ります。歯が重なり合う叢生の状態の場合は、歯と歯の間を数ミリ削ることでスペースを作ります。削る量は髪の毛1本程度のため、歯にはほとんど影響はありません。

全体矯正との違いは?
全体矯正は歯並び全体を矯正することで、患者さんが気付かない噛み合せの状態まで治すことができます。部分矯正では部分的に噛み合せが変わってしまうことで、歯並びは良くなっても噛み合せが悪くなってしまうこともあります。噛み合せは体の健康にも深く関わっている大切な機能です。部分矯正が適しているのか、全体矯正をすべきなのか、歯科医師にしっかり見極めてもらった上で、治療を進めましょう。

歯科矯正治療が困難な場合もあります

歯周病が進行している方
矯正治療は、歯を支えている骨である歯槽骨と、歯と歯槽骨の間にあるクッションの役割をする歯根膜を、歯に影響のない範囲で破壊と再生を繰り返させることによって少しずつ歯を移動させます。しかし、歯周病が進行している場合は、歯槽骨と歯根膜の破壊のみが進んでしまうため矯正治療が難しいことがあります。しかし、軽度の歯周病の場合は、歯科医院でのクリーニングと同時進行で矯正治療を行うこともあります。また、重度の歯周病の場合でも、歯科医院で歯石取りを含むクリーニングを受けて、歯茎の炎症が改善するようであれば、その後から矯正治療を進めることができます。

顎骨が原因の方
下顎または上顎が前方に突出していたり、発達不足だったりすると、顎骨が原因で歯並びが悪くなることがあります。その場合は、矯正治療のみでは治せません。治療としては、顎骨に対し外科的な治療を行った後で矯正治療をスタートし、歯並びや噛み合わせを治す方法もあります。治療方法は限られますが、場合によっては顎骨の外科治療には保険が適用されることもあります。

重度の不正咬合の方
重度の不正咬合だと、マウスピース矯正のみでは治療ができない場合があります。マウスピース矯正は0.25mmという小さな歯の移動を行い続けながら歯並びを改善していくため、歯への負担が最小限で痛みが出にくいというメリットがあります。しかし、その分、重度の不正咬合に必要な「大きな移動」は不得意です。この場合は、多くの症例に適用されるワイヤー矯正と併用してマウスピース矯正を行うことがあります。マウスピース矯正を希望される患者さんにとっては、見た目の面で心配されるかもしれませんが、ワイヤー矯正では目立ちにくい装置を使用する方法もあるので、歯科医師と相談しながら治療方法を決めましょう。

インプラントの本数が多い方
インプラントとは、何らかの理由で歯が欠損した箇所に、人工歯根を埋め込み、天然歯に近い歯を作成する方法です。しかし、インプラントは顎骨に直接埋め込まれるため、天然歯と異なり、歯槽骨とインプラントの間には歯根膜という組織が存在しません。矯正治療は、歯に影響のない範囲で、歯根膜の破壊と再生の繰り返しを利用して歯並びを整えるため、歯根膜のないインプラントは矯正治療で動かすことは不可能です。インプラントの本数が少なければ他の歯を動かすことで治療できることもありますが、本数が多いと移動できる箇所がかなり限られるため矯正治療が困難になることがあります。この場合は、セラミック矯正といわれる方法で歯並びの改善を行うことがあります。セラミック矯正は、歯自体は動かさず、歯の被せ物の形を調整して歯の並びを良く見せる方法です。歯を動かさなくて良いので短期間での治療が可能ですが、健康な歯を大きく削ることが必要になる場合もあります。

埋伏歯がある方
親知らず以外の埋伏歯がある方はマウスピース矯正は難しいです。埋伏歯とは、歯の生えるスペースが足りなかったり、歯が倒れた状態になっていることで、上手く生えずに歯茎の中に埋まっている歯のことです。レントゲン写真を撮影して初めて気付くことができます。埋伏歯がある場合は、歯茎から埋伏歯を出してからワイヤーを引っかけるボタンを接着します。次に両隣の歯のブラケットと埋伏歯のボタンにワイヤーを引っかけて、埋伏歯が歯列に並ぶ様に動かすため、ワイヤー矯正で治療を行います。

歯並びが気になる方、ぜひ当院にご相談ください

歯や顎骨の大きさ、歯の生える時期や癖などは個人差があります。そのため、歯並びも人それぞれ違い、矯正治療も個人に合わせた治療方法で行う必要があります。現在は、インターネットの普及により矯正治療についての情報も簡単に得ることができます。しかし、その情報は大勢の方向けで一般的な内容であり、なかなか個々に対して踏み込んだ内容は得られません。
当院では、無料カウンセリングを実施中です。無料カウンセリングでは、実際に患者さんのお口の中の状態を確認し、矯正治療が必要かどうか、もし必要であれば矯正治療後の歯並びのシミュレーション、治療期間、費用など、患者さん個人に対して必要な内容をご提供しております。
無料カウンセリングを受けたからといって、必ず矯正治療を受けないといけないわけではありません。患者さんにとって必要な情報を知っていただいた上で、しっかり判断していただければと思います。
無料カウンセリングのご予約はネット予約やお電話で受け付けております。お気軽にご連絡ください。

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