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40代・50代でも始められる?大人の歯列矯正について

監修:歯科医師 高島光洋


森林の中で頬を押さえてほほ笑むミドル女性

歯列矯正に年齢制限はあるの?

矯正治療には適齢期はありますが、年齢制限はありません。

歯列矯正は主に2つ、「子供矯正」と「成人矯正」に分類されます。
歯列矯正を行う最適な時期は、歯の生え換わり時期6歳~12歳頃になります。この時期に行う歯列矯正治療が「子供矯正」です。「子供矯正」では歯の生え換わりに伴って成長する顎骨を、矯正治療により正しく発達させることで、永久歯の生える隙間をスムーズに作ることができ、歯並びや咬み合わせが整いやすくなります。

これに対して、「成人矯正」は全ての永久歯が生え、顎骨の成長が完了し、歯の根っこが完成されるタイミングから行うことができます。個々の成長発育状態によって異なりますが、13歳以降くらいが適応年齢になり、特に年齢制限はないです。そのため、子供の頃に矯正治療を行えなかった方でも大人になってから矯正治療を始めることができます。ただし、矯正治療には条件がありますので、次項で詳しくお伝えします。

40代・50代で歯列矯正ができる条件について

矯正治療では、歯の根っこ周囲に存在する線維(歯根膜)と歯を支えている骨(歯槽骨)を、歯を動かす力により刺激します。そうすると、歯を支えている骨が吸収と添加を繰り返すため、歯を少しずつ動かすことができます。そのため、歯列矯正を行う場合、歯と歯茎・骨の状態が非常に重要になります。

歯茎・骨の状態
歯茎が腫れ、歯周病が進行している状態だと、歯を支えている骨が少なくなっているため、歯列矯正が難しい場合があります。骨が少ないまま矯正治療を行うと、歯を動かす力により更に骨が少なくなり、歯がグラグラし始める可能性があります。しかし、歯茎のみが炎症を起こしている歯肉炎の状態や軽度の歯周病であれば、歯周病治療により状態が改善できれば矯正治療が可能となります。

歯の状態
矯正治療が可能な歯の本数の条件は基本的に20本以上になります。特に奥歯は歯を動かす支点となるため、奥歯がない場合は矯正治療が難しくなります。しかし、人工歯であるインプラントを使用し、歯を動かす支点を作ることで矯正治療が可能になる場合もあります。

40代・50代の方にも矯正治療をおすすめする理由

口元をキレイにできる
毎日、忙しい日々を過ごしていると、そんなに気にならなかったことも、生活の変化により少し余裕のある時間ができてくると、自分の体のことが気になってくることはないでしょうか。歯並びもその1つかもしれません。子供の頃に矯正治療ができなかった方や、年齢と共に歯茎が下がり歯と歯の間に隙間ができてきた方、歯と歯が重なった所に新たに虫歯ができてしまった方、矯正治療により歯並びを整えることで、これらのお悩みが解決できる可能性は高いです。長年のコンプレックスを改善できることは自分への自信にも繋がり、キレイな口元は笑顔をさらにキレイにします。また、歯磨きもしやすくなるため虫歯予防にもなります。

咬み合わせが良くなる
歯並びが悪く、咬み合わせが悪いと咀嚼効率が低くなりますが、自分では気付かないことが多いです。歯列矯正では、見た目だけではなく咬み合わせも改善することができるため、しっかり噛めるようになり咀嚼効率を高めることができます。食べ物をしっかり口の中で咀嚼できると、消化吸収をスムーズに行いやすくなり、胃や腸などの消化器官への負担も軽減できます。
他にも顎関節への負担が軽減されたり、顔の歪みの改善などへの効果も期待できます。

顔立ちが整う
顔立ちは、骨格・筋肉・歯並びなど複数の要因が密接に関係しています。
歯列矯正を行うと、歯の位置が整い、咬み合わせも改善することで正しく噛めるようになり、お顔周りの筋肉のバランスが良くなります。そうすると、お顔立ちも整いやすくなるだけではなく、シワやたるみの改善にも繋がります。

発音・滑舌が改善する
歯並びは発音・滑舌にも影響します。歯が並んでいる列から歯がズレて内側に位置していると舌があたって滑舌が悪くなったり、歯を噛み合わせた時に上の前歯と下の前歯に隙間ができると聞き取りにくい発音になってしまうことがあります。これらの歯並びを改善することによって、会話がスムーズになると、人前で話すことにも自信が持ちやすくなります。

大人の歯列矯正において事前に知っておくべきポイント

期間が長くなりやすい
子供の矯正治療は歯の生え換わりと共に顎骨が成長している時期に行うため、歯が動きやすいです。しかし、大人の矯正治療はすでに顎骨の成長が完了し、年を追う毎に骨が硬くなってくるため、子供の歯より動きにくくなっています。そのため、治療期間も長くなりやすいです。大きな手術などが必要のない一般的な症例であっても、治療期間の目安は2~3年くらいになります。

歯茎が下がる・根っこが下がるリスク
大人の歯は動きにくいですが、だからといって、必要以上の強い力をかけてしまうと、歯の根っこが吸収されて短くなることがあります。歯の根っこが吸収されてしまうと、歯茎も下がりやすくなってしまいます。そのため、期間がかかっても、少しずつ歯を動かすことが大人の矯正治療の重要なポイントにもなります。

虫歯・歯周病のリスク
特に、装置を歯に接着させるワイヤー矯正は歯磨きがしづらくなります。取り外し可能なマウスピース矯正であっても、矯正をしていない状態よりは唾液が作用しにくくなるため、虫歯や歯周病のリスクは高くなります。そのため、どの矯正方法であっても、こまめなケアが必要になります。歯ブラシと一緒に、フロス、タフトブラシ、歯間ブラシなどの清掃補助用具を使っていただくことをおすすめします。歯科医院での定期的なクリーニングも受けていただくと、虫歯・歯周病予防に効果的です。

ブリッジがある
歯の治療により詰め物や被せ物をされている方でも、歯やその周りの歯茎・骨が健康な状態であれば、矯正治療は可能です。しかし、ブリッジのように連結されている被せ物は、一度切り離してから矯正治療を行い、治療完了後に歯並びや咬み合わせに合うように新しく作り換えることもあります。その場合、矯正治療の費用とは別にブリッジの費用がかかります。

骨粗鬆症を患っている
特に女性は50歳前後から、閉経の影響により女性ホルモンの分泌の低下と共に、骨密度も低下しやすくなります。骨密度の数値が70%以下になると「骨粗鬆症」と診断されます。骨は、吸収される働きと新たに形成される働きのバランスが保たれることで維持されます。しかし、「骨粗鬆症」になると骨が吸収される働きの方が上回ってしまうため、骨密度が減少しやすい状態になります。矯正治療でも、この骨の吸収と形成を利用しながら歯を動かすため、「骨粗鬆症」の方は治療が難しくなることがあります。また、骨粗鬆症のお薬ビスホスホネート薬を服用されている方は事前に歯科医師に伝えておきましょう。場合によっては、かかりつけの医師と相談して休薬期間をもうける場合もあります。

大人の方へ!他人に気づかれにくいマウスピース矯正がおすすめ

装置の見た目が気になるために、矯正治療を始めることに悩んでいませんか?特に大人の方で、仕事などの関係で人前に出ることが多い場合は、矯正治療を始めたくても歯に装着する矯正装置が目立ってしまうと矯正治療を始めにくいかもしれません。

従来からの矯正治療方法でよく知られているワイヤー矯正は、金属の装置を歯の表面に装着するため装置が目立ちやすいです。しかし、最近、主流になりつつあるマウスピース矯正治療は、装置に透明な樹脂素材のマウスピースを使用するため、矯正装置が目立ちにくく、矯正治療をしていることを気付かれにくいのが大きな特徴です。

また、装置であるマウスピースを約2週間毎くらいで自宅で交換するため、通院回数は2ヶ月に1回、調整が必要になったとしても1ヶ月に1回くらいの通院になるので、通院回数も少なめです。

取り外しも可能なため、食事や歯磨きは通常通り行えます。

痛みに関しても、ワイヤー矯正の1回の調整では歯の移動量は約0.3mmですが、マウスピース矯正は1枚のマウスピース型の装置で約0.15mm~0.2mmの移動量になります。マウスピース矯正はワイヤー矯正より少しずつ移動させるので痛みが出にくいのも特徴です。その分、矯正期間が長くなるのではないかと思われるかもしれませんが、ワイヤー矯正とマウスピース矯正で治療期間が大きく変わることはありません。マウスピース矯正の方が早く終わるケースもあります。

マウスピース矯正にもいくつか種類があります。中でも、インビザラインは、マウスピース矯正の先駆的存在であるアメリカのアライン・テクノロジー社が開発した装置です。世界の利用者数は1500万人以上にもなります。全利用者の治療データを更新しながら、そのデータをもとに治療計画を立てることができるのでおすすめです。

大人の矯正治療に重要なのは、「歯」と「歯茎・骨」の状態です。

当院で行う「大人の矯正治療」は単に歯を動かすのではなく、歯茎や骨の状態を踏まえた上で、美しく・お体へのダメージも最小限に抑える治療計画を心がけています。

歯並びについて検討されている方、自分は矯正治療ができるのか悩まれている方は、当院の「矯正無料相談」でお気軽にご相談ください。

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