出っ歯の治療に有効な矯正用インプラントとは?その効果や注意点を解説
監修:歯科医師 高島光洋

出っ歯の矯正治療を行う際に、「矯正用インプラント」が必要になることがあります。「矯正なのにインプラントをするの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。今回は、この矯正用インプラントの目的や注意点などについて詳しくお話ししていきます。
1.矯正用インプラントって何?
2.矯正用インプラントが出っ歯の治療に効果的とされる理由
3.矯正用インプラントのメリットとデメリット
3-1 メリット
3-2 デメリット
4.矯正用インプラントにかかる治療期間と費用
5.出っ歯はインビザラインでも改善できる
矯正用インプラントって何?
矯正用インプラントとは、歯茎に直接小さなネジ(アンカースクリュー)を埋め込んで固定源として歯を移動させる治療方法です。
従来の矯正治療だと、形状記憶ワイヤーを用いて、ワイヤーが戻ろうとする力を利用することで歯を移動させます。ただし、この方法だと移動してほしくない歯まで動いてしまうことがあります。
一方、矯正用インプラントの場合は、アンカースクリューを支点とすることで、他の歯を移動させることなく狙ったところに力をかけることができるため、計画した位置に早く歯を移動させることが可能です。従来の治療に比べて数ヶ月〜半年ほど治療期間を短縮することができる、「スピード矯正」と表現されることもあります。
また、アンカースクリューはチタン製で、体内に埋め込んでも問題なく、治療終了後は取り除きます。
矯正用インプラントが出っ歯の治療に効果的とされる理由
矯正用インプラントのは、アンカースクリューを顎の骨にしっかりと固定することで、動かしたい歯だけを大きく動かすことができます。
そのため、出っ歯のように、歯を後方に動かす必要があるケースに特に効果的な治療法とされています。
アンカースクリューが固定源となることで、強い力で効率よく歯を移動させることができるため、安定した矯正治療が期待できます。
矯正用インプラントのメリットとデメリット
メリット
〇治療期間を短縮できる
ピンポイントで歯を動かすことができるため、治療期間の短縮に繋がります。
〇抜歯を回避できる可能性がある
出っ歯の治療では、スペースを確保するために歯を抜かなければいけない場合がありますが、矯正用インプラントでは歯を大きく動かせるため、抜歯をしなくてすむ確率が高まります。
〇目立ちにくい
アンカースクリューは小さいため、口を開けても目立ちにくいです。
デメリット
●外科的処置が必要
アンカースクリューを埋め込む外科的な処置が必要です。とはいえ、施術時間は15〜20分程度で、麻酔をするため痛みはほとんどありません。矯正治療終了後には除去します。
●対象年齢がある
矯正用インプラントは、顎の骨にネジを埋め込むため、顎の成長が完了した後(高校生以降)でしか治療を行うことができません。成長途中に行うと、骨に悪影響を及ぼす恐れがあります。
●抜け落ちることがある
アンカースクリューがうまく顎の骨に固定されていないと、抜け落ちることがあります。
●毎日のケアが必要
インプラントの周りにプラーク(歯垢)が付着すると、細菌が繁殖し、炎症して腫れや出血を起こすことがあります。ご自身の歯と同じように、日々の歯磨きで清潔に保つことが必要です。
矯正用インプラントにかかる治療期間と費用
通常の矯正治療の治療期間は2〜3年と言われていますが、矯正用インプラントを行うことによって、おおよそ数ヶ月〜半年程度短縮することができます。
また、費用は、矯正治療とは別でオプションのことが多く、相場は1本につき3~8万円ほどです。医院ごとで異なるため、治療前に必ず確認するようにしましょう。
出っ歯はインビザラインでも改善できる
出っ歯の治療において矯正用インプラントは効率的ですが、治療費や外科的な処置などデメリットも多くあります。
マウスピース矯正「インビザライン」なら、矯正用インプラントを使用せずに出っ歯を改善することができるケースが多いです。
骨や歯の根っこの状態をCTやレントゲン撮影で診断し、シミュレーションを元に綿密な治療計画を立てるため、無理なく効率的に矯正治療を進めることができます。
あなたの気になる点は、インビザラインで改善可能かもしれません。
当院では無料カウンセリングも行なっております。あなたに合った治療方法をご提案させていただきますので、出っ歯でお悩みの方はお気軽にご相談ください。