子どもの矯正でよくある後悔を防ぐためのポイントとは?
監修:歯科医師 高島光洋

お子さんの歯並びを改善したいと考えられている親御さんの中には、治療費や期間、お子さんの年齢など、矯正治療に対する不安を抱えて踏み出せずにいる方もいらっしゃるでしょう。確かに、矯正治療の開始は大きな決断であり、治療を円滑に進めるためには親御さんのサポートが必要です。実際に治療を開始してから「こんなはずじゃなかった」と思われるケースがあることも事実です。そこで今回は、お子さんの矯正治療を行うにあたって、後悔のないよう事前に知っておくべき重要なポイントをお伝えしていきます。
1.子どもの矯正でよくある5つの後悔
1-1 ①想像以上に長期間だった
1-2 ②想像以上に費用がかかった
1-3 ③矯正治療終了後に歯並びが戻った
1-4 ④望んでいた歯並びにならなかった
1-5 ⑤途中で子どもが治療を嫌がるようになった
2.子どもの矯正治療で後悔を防ぐためのポイント
2-1 安心して任せられる医院を見極める
2-2 保定期間の重要性を理解しておく
2-3 治療計画は成長に合わせて変わることを理解しておく
2-4 治療を完了させる意志を持ち続ける
2-5 治療に不安があるときは、別の医師の意見を聞いてみる
2-6 子どもの気持ちを理解しながら支援する
3.当院では、矯正治療の後悔を防ぐために事前の説明に力を入れています
子どもの矯正でよくある5つの後悔
①想像以上に長期間だった
小児矯正治療は、お子様の成長と発達に合わせて、段階的に治療を行います。
年齢によって1期治療と2期治療に分かれており、それぞれが重要な役割を果たします。
1期治療は、永久歯の生え変わりが活発な混合歯列期に行う治療です。6歳から10歳の間に行い、顎の成長を促したり、適切なスペースを確保することで、歯列の正常な発達をサポートします。
一方、2期治療は、通常11歳以降に開始します。この段階では、ほぼ全ての永久歯が生えてきており、歯並びや噛み合わせの最終調整が目的としています。大人が行う矯正治療も、この2期治療にあたります。
具体的な方法としては、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などが一般的です。通常、治療期間は約1年半から2年半ですが、個々の状況により異なります。
1期治療と2期治療、どちらも必要な場合もあれば、片方だけで済む場合もあります。そのため、お子さんの場合はどうなのかをあらかじめ確認しておくと良いです。ただし、治療の経過によって変わる可能性があることも理解しておきましょう。
②想像以上に費用がかかった
矯正治療は保険適用外のため、自由診療です。治療費の設定は医院ごとで異なり、治療に必要な装置や期間も患者さんの口腔の状況によって異なります。
<1期治療>
○装置:拡大床、ヘッドギア、リンガルアーチなど
○費用:約10万円〜50万円
<2期治療>
○装置:ワイヤー矯正やマウスピース矯正など
○費用:約50万円〜100万円
加えて、治療期間中は定期的な観察を行なうため、通院ごとに観察料として約3000円(医院によって異なる)が必要です。
◆保険適用の例外
「顎変形症」と診断された場合、一部の治療が保険適用となる可能性があります。例外的なケースなので、詳細は担当医に確認してください。
◆費用の支払い方法について
治療費の支払いは、クリニックによっては分割払いやデンタルローンを利用することが可能です。費用の負担を和らげるため、支払い方法についても事前に相談しましょう。
◆医療費控除の利用
矯正治療費と通院にかかる交通費の合計が年間10万円を超えた場合、税務署への申告により医療費控除を受けることができます。これには領収書が必要なので、治療期間中の全ての領収書は大切に保管してください。
③矯正治療終了後に歯並びが戻った
矯正治療後の「保定期間」は、後戻りをさせないための期間です。歯は、矯正治療で動かした後にも自然と元の位置に戻ろうとするため、後戻り防止用の保定装置を数年間使用する必要があります。
保定装置には大きく分けて、固定式リテーナーと取り外し可能なリテーナーの2種類があります。
固定式リテーナーは、歯の裏側に装着して歯をしっかりと固定します。
一方、取り外し可能なリテーナーは、使用者が自分で装着や取り外しができ、定期的なメンテナンスが求められます。
保定装置の使用は、特に成長期の子供にとって重要です。この時期の歯は動きやすく、日常の咬み合わせの力や他の歯からの圧力によって、歯並びが乱れやすいからです。
そのため、決められた通りに装置を着用しないと治療効果が失われ、「後戻り」のリスクが高まります。
④望んでいた歯並びにならなかった
子どもの矯正治療でよく用いられる「拡大床」という装置は、歯列を広げることを目的とされていますが、歯並びが過度に広がり咬み合わせに問題が生じる場合があります。
また、装置を使用しているのに歯並びに変化が見られなかったり、治療の段階に合わせた装置の変更ができていなかったりすることもあります。
矯正治療は、長い治療期間中の管理が非常に重要です。適切な管理が行われないと思うような効果が得られません。
治療前には期待する結果、治療計画、リスクなどを担当医師としっかりと確認し、納得の上で治療を開始しましょう。また、治療開始後も、不安や疑問がある場合はすぐに相談したり、他院でのセカンドオピニオンを利用したりすることも重要です。
⑤途中で子どもが治療を嫌がるようになった
矯正治療は長期のため、初めはモチベーション高く取り組んでいたお子さんも、次第に治療への関心が薄れたり、不快感から装置をつけなくなったりすることがあります。特に、取り外し可能な装置の場合、このような状況になることが多いです。
一番の悩みは、お子さんが装置を使用しないことに対して、親御さんが度々注意しなくてはならない点です。また、固定式の装置の場合は虫歯のリスクも伴うため、親御さんのサポートが大切です。ご自宅での管理が難しかったり、お子さんの協力がなかなか得られなかったりする場合は、お子さんの年齢や性格、状況に合わせた装置の選択を考慮する必要があるため、歯科医師とよく相談するようにしましょう。
子どもの矯正治療で後悔を防ぐためのポイント
安心して任せられる医院を見極める
信頼できる矯正歯科医院の選び方にはいくつかのポイントがあります。
- 小児矯正の治療実績が豊富
- 日本矯正歯科学会の認定医や小児科専門医である
- 治療前にメリットやデメリットを丁寧に説明してくれる
- 治療期間や治療費についての明確な説明がある
- 歯科用CTやセファロなどの最新設備を備えている
- 詳細な検査と診断を行なっている
- 矯正専門医が在籍している
医院選びのポイントは様々ですが、最も重要なのは、患者様と医師のコミュニケーションがスムーズに行える体制が整っているかどうかです。矯正治療は長期間にわたるため、信頼関係の構築と良好なコミュニケーションが治療の成功の鍵となります。
保定期間の重要性を理解しておく
矯正治療後の保定期間は非常に重要です。 保定装置を使用しないと、治療で整えられた歯並びが元に戻ってしまうリスクが高まります。その結果、再び矯正治療を行わなければいけなくなることもあります。
再治療は費用や期間だけでなく歯にとっても大きな負担です。保定装置をきちんと使用し、美しい歯並びを維持しましょう。
治療計画は成長に合わせて変わることを理解しておく
お子さんは日々成長しています。お口の中も同様で、矯正治療は、今の歯並びをきれいにするのではなく、成長した将来の歯並びを整えることを目的としています。
治療計画はお子さんの成長過程を予測して立てられますが、成長の仕方は人それぞれであり、予測どおりにいかないことも少なくありません。そのため、お子さんの成長に合わせて計画の調整を行う必要があります。
治療を完了させる意志を持ち続ける
一度始めた治療を途中でやめてしまうと、それまでの治療や努力が水の泡になってしまいます。今後の歯並びへの悪影響も懸念されます。そのため、始めたら最後まで治療を行うことが重要です。
治療前には親御さんとお子さんでよく話し合い、理解を深めてからスタートしましょう。
また、長期にわたる治療の途中でお子さんが挫折してしまわないように、お子さんだけではなく、親御さん自身も一緒に最後まで続ける覚悟が必要です。
治療に不安があるときは、別の医師の意見を聞いてみる
治療計画に納得できないまま進めると、望む結果を得られず、時間やお金を無駄にすることにも繋がりかねません。もし不安な場合は、他の医院にてセカンドオピニオンを受けてみることもひとつの手です。他の医師の意見を聞くことによって理解が深まったり、転院などの解決策に繋がったりすることもあります。
ただし、セカンドオピニオンを受けるにあたって追加の検査料や診断料が必要な場合もあるので、あらかじめ費用面の確認もするようにしましょう。
子どもの気持ちを理解しながら支援する
矯正治療を始めると、お子さんは装置の違和感や取り扱いに抵抗を感じることがあります。お子さんが装置をつけるのを嫌がる理由を理解し、治療の目的を再確認させることが大切です。 お子さんが治療に前向きに取り組むためには、親御さんの積極的な声かけやサポートが欠かせません。家庭と歯科医院の両方で、お子さんの気持ちに寄り添いながら継続的な治療をサポートする姿勢が求められます。
当院では、矯正治療の後悔を防ぐために事前の説明に力を入れています
当院では、皆さまに「後悔のない」治療を受けていただくために、無料カウンセリングを実施しています。歯並びの気になる点や、治療を行うにあたっての不安や疑問、どんなことでもお聞かせください。セカンドオピニオンも受け付けております。
よりお子さまのお口の中に合ったお話をするには、精密検査を元にした診断が必要です。ご希望に合わせてご提案させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。