監修：歯科医師 高島光洋

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ネットニュースやメディアでは「歯列矯正で小顔になる」という話題が取り上げられているようです。
歯並びを整えると小顔になるというのは本当でしょうか。
ここでは歯列矯正と小顔の関係について詳しくお話していきます。

「矯正治療で小顔になる」根拠とは？

SNSやネットサイトでは「歯列矯正で小顔になった」「顎のラインがスッキリした」「矯正治療後に顔が小さくなったと言われる」など実感している方は一定数いるようです。こういった声が上がったことで「歯列矯正をしたら小顔になる」という噂が広まったようです。

小顔になることとは関係ない

歯列矯正は歯並びを整えますが骨格の変化はないため、小顔になることと直接関係はありません。しかし、歯並びを整えることでフェイスラインがスッキリする、口元のバランスが整うことで小顔に見える印象に変わることはあります。つまり歯並びや噛み合わが悪いことで顔が歪んでいるということになります。例えば、八重歯があると口元が膨らんだり、歯ぎしりや噛みしめが強い方は咬筋に力が入るのでエラが張ったように見えたりすることがあります。

フェイスラインが整うことは期待できる

フェイスラインで気になる代表的なものには

1. エラが張っている
2. 出っ歯や受け口、口ゴボなど口元が前に出ている
3. 四角いフェイスライン
4. 顔が左右非対称に見える

が挙げられます。これらの問題を歯列矯正でどのように改善されるか、次に詳しく解説します。

①エラ張り

エラが張る原因には

• 噛み合わせが悪いために噛む力が強くなる
• 歯ぎしりや食いしばりがある

などが挙げられ、顎への負担が大きくなるために起こる場合があります。
咬筋が過剰に発達して横に広がりエラが張ったように見えます。これは筋トレをして筋肉を増やすことと同じというと分かりやすいかもしれません。咬筋が発達すると頬の横から顎下のエラにかけて横に広がったようになり、顔が四角く見える原因となります。
歯列矯正をすると噛み合わせが整い、食いしばりや歯ぎしりの癖も減少します。噛む力のバランスが良くなったり食いしばる力が与えていた顎への過剰な力が入らなくなります。そのため、それまで張って大きくなっていた咬筋の筋肉が緩むことで、フェイスラインがスッキリして見えるようになります。

②出っ歯、受け口、口ゴボ

口元が盛り上がったように見える歯並びに

• 出っ歯(上顎前突)
• 受け口(下顎前突)
• 口ゴボ(上下顎前突)

が挙げられます。
このような歯並びは、口を閉じていても歯が前に出ていることで顔の凸凹が大きくなり、顔の大きさも大きい印象になります。
出っ歯や受け口の矯正治療では、突出している歯並びを後ろ側に引っ込めるような治療を行います。そのため、口元の輪郭がスッキリし小顔に見えるようになります。
また、口ゴボのように口元の突出を改善することで、Eラインの内側に口元が入る状態になります。このEラインとはエステティックラインといわれ、横顔を見た時の鼻先と顎先を結ぶ線のことを指し、その内側に口元が入ると美しいと横顔とされています。これは欧米人に適した指標であり、骨格や顔の作りが違う日本人はEラインに触れるか触れないかくらいがよいとされる見方もあります。

③四角いフェイスライン

顔の骨格そのものが角ばっている方は、フェイスラインも角ばった印象になります。歯列矯正で骨格自体は変わりませんが、抜歯等を行うことで角ばったフェイスラインが改善されるケースもあります。歯を支えていた骨は歯がなくなると吸収されて減少していくので、フェイスラインがほっそりと見える場合があります。
抜歯矯正は前歯から数えて４番目または５番目の歯を抜いてスペースを作り、歯並びを整えます。歯を抜くことで骨がほっそりする効果と、八重歯や前歯のガタガタになっている歯並びを整える治療の両方の効果で、小顔の印象に変わったというケースもあります。ただ、骨が減少しても微量なので、抜歯をしたからといってフェイスラインに与える影響は少ないと考えられます。

④顔が非対称に見える

片方でばかり噛む癖がある方は、お口の中に何らかの原因があります。多くの場合、噛み合わせが悪いために両方で噛みにくく片方に集中することがあります。これはご自身で意識するまでは気付かないケースがほとんどで、気が付いたときには片方の咬筋ばかり発達して大きくなり、顔の左右のバランスも悪くなっていた、という場合があります。噛み合わせのバランスが悪いと顔が左右非対称に見える原因になります。
歯列矯正をして歯並びを整えると、噛み合わせも良くなるので左右で噛むバランスが整ってきます。両方で噛めるようになると片方だけ大きくなっていた咬筋は減少していき、左右の咬筋のバランスが良くなります。その結果、左右のフェイスラインがスッキリした印象になります。

親歯らずが顔を大きく見せている？

親知らずは歯の一番後ろにある歯で、人によって生え方は様々です。

• 親知らずが4本とも真っすぐ生えていてしっかり噛めている
• 親知らずの生え方が悪いために噛み合わせが悪くなっている

このような生え方をしていると噛む力が強くなったり、偏った一部分に強い力がかかったり、いずれの場合も咬筋を大きく発達させることになります。つまり咬筋によってエラが張ったようなフェイスラインになりやすくなるということです。親歯らずを抜歯することで、噛む力のバランスが良くなり、過剰に発達した咬筋は減少してスッキリしたフェイスラインに変化します。歯がなくなって骨が痩せることと咬筋の減少が起こることでフェイスラインがスッキリして小顔になった印象に感じることとなります。

矯正治療にはメリットがたくさん

歯列矯正のメリットは小顔効果だけではありません。歯並びが整うことで多くのメリットがあります。

〇歯周病、虫歯のリスクが減少する
歯並びが良くなると食べものが挟まりにくくなり、歯磨きがしやすくなることで、虫歯や歯周病のリスクが減少します。

〇口元のコンプレックスがなくなる
気になっていた口元が整うと歯並びを気にせず思いっきり笑うことができます。

〇しっかり噛めるようになって全身に良い影響も
食べ物をしっかり噛んで食べられるようになるので、胃腸の負担が軽減されて唾液量も増えることで自浄作用の向上にもつながります。

〇顎関節の不調改善
噛み合わせが悪いと顎関節の負担が大きくなります。歯並び、噛み合わせが整うと顎関節の負担が軽減され顎関節の痛みや開け辛さなどが解消されるケースがあります。

歯並びに関することは何でもお尋ねください

「歯列矯正で小顔効果がある？」「気になる歯並びは治せる？」など、どんな小さなお悩みでもお気軽に当院にご相談ください。
当院では無料のカウンセリングを行っております。お一人お一人のお話をしっかりお聞きして、治療方法など詳しくお話します。

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