叢生(そうせい)
叢生:でこぼこ、八重歯
叢生(そうせい)とは、歯が重なり合ってデコボコと重なっていたり、歯がねじれて生えていたりする歯並びのことをいいます。
一般的には「乱ぐい歯」とも呼ばれ、多くの場合、顎が小さい(または歯が大きい)ために歯並びが乱れます。「八重歯」も叢生の一種です。
日本では特に叢生の方が多い傾向があり、厚生労働省が行った「歯科疾患実態調査(平成23年)」では、前歯の叢生(そうせい)がもっとも多いという結果が報告されました。
※出典:厚生労働省 平成23年歯科疾患実態調査
叢生の原因とは?
叢生になる方の場合、幼少期の歯並びには「ある特徴」が現れています。それは「乳歯の歯並びがキレイに整っている」ということです。
乳歯に比べて永久歯のサイズは大きいので、乳歯の時点で歯が隙間なくキレイに並んでいるお子様の場合、永久歯が生えてくると当然スペースが足りず、捻れたり重なり合ったりしながら生えてきます。
また乳歯が虫歯などで通常より早く抜けてしまった場合も注意が必要です。
抜けた箇所の隣の歯が隙間を埋めようと歯が動いてしまいまうため、永久歯が生える十分なスペースがなく叢生になってしまうのです。
叢生の原因は顎と歯の大きさのバランスにあります。
顎の骨が小さすぎたり、反対に永久歯の大きさが大きいと叢生になりやすくなります。
叢生のリスクとは?
1. 虫歯・歯周病のリスクが高まる
叢生の最も注意すべき点は、歯並びがでこぼこしているために、磨き残しが発生しやすいことです。
プラークや歯石が蓄積することで、虫歯・歯周病が進行しやすくなります。
特に歯周病は気づかない間に進行しやすく、口腔内が清潔に保てないと30代〜40代で歯を失ってしまう方も少なくありません。
また虫歯や歯周病は口臭の主な原因としても知られています。
お口をキレイにしているつもりでも、気づかないうちに虫歯・歯周病・口臭といったトラブルが進行している可能性があります。
2. 噛み合わせが良くない
叢生の方の場合、前歯で物が噛みきれなかったり、咀嚼効率が悪いケースが多く見受けられます。
咀嚼がうまくできないことで、丸呑みのような食べ方になり、胃への負担が大きくなったり栄養の吸収効率が悪くなったりすることが考えられます。
3. 見た目の問題
やはり見た目を気にされる方も多いかと思います。
笑ったときに口元にボリュームがでやすく、でこぼことした歯並び、八重歯、捻れて生えてきた歯を矯正したいというご相談は非常に多く寄せられます。
叢生の治療方法とは?
1. 成人の場合
成人の場合、顎の骨に永久歯を並べていくことになります。
治療方法としてはワイヤー矯正(表側矯正、舌側矯正)、マウスピース矯正から選択が可能ですが、非抜歯をご希望される場合にはマウスピース矯正をお勧めすることが多いです。
マウスピース矯正では奥歯を後方に動かすことができ、抜歯せずともスペースを作り出すことができるためです。
ただし「口元をスッキリさせたい」「できるだけ口元を引っ込めたい」といった場合には、抜歯をされた方が希望される歯並びに近づけることもあります。
骨格や口腔内の状況と、患者様のご要望を伺いながら最終的な治療計画を立案していくこととなります。
2. お子様の場合
お子様の叢生の治療は「床矯正」という顎の成長をサポートする装置を使って矯正治療を行い、歯が並ぶスペースを確保していきます。
現在ではマウスピース矯正もお子様の矯正治療に対応が可能です。
より広いスペースが必要な場合には「急速拡大装置」を使います。
これは、より強い力をかけて顎を広げていくための装置です。
歯が生えるスペースが確保できるので、抜歯をせずに歯並びを治せる可能性が高くなります。
矯正を始める年齢については、お子様の発育状況や治療方法によっても変わりますが、早ければ6歳以降の生え変わりの時期が一つの目安になります。
骨格が成長途中にあるお子様の場合、顎の発達を促すことで、永久歯が生えてくるスペースを確保することができます。
成長期を過ぎると骨の成長が止まり、成人と同様の矯正治療を行うことになりますので、タイミングを逃さず治療を始めることが理想的です。
叢生の矯正治療も対応しています
周南市ひだまり歯科医院では、叢生の矯正治療にも対応しています。
矯正無料カウンセリングや無料メール相談も受け付けておりますので、少しでも矯正にご興味があればぜひ一度ご相談いただければと思います。
叢生の場合、虫歯や歯周病のリスクが高く年齢を重ねることで歯を失うリスクも高まる傾向があります。
矯正治療によって1日でも早く、美しい・健康的な口腔内を手に入れていただければと思います。